リサーチ第II号 ― 時代を超えるスーベニアガーメント

Eastwood Studio による記録
リサーチとクリエーションのスタジオ

歴史的背景

1945年以降、戦後の日本には多くのアメリカ兵が長期間にわたり駐留していました。帰国が近づくにつれ、彼らは新鮮で魅力的な文化体験を映し出す記念品を求めるようになりました。

このような状況の中で誕生したのが、最初のスーベニアジャケットです。リバーシブル仕様の刺繍入りのジャケットで、オーダーメイドとして仕立てられる場合もあれば、基地周辺のショップで購入できることもありました。

二つの世界が交差するこの場から生まれた衣服は、ボンバージャケットやスタジャンといったアメリカ的なシルエットに、龍や虎、鳥、風景、地図などアジア的想像力を象徴するモチーフを融合させたものでした。

桐生市

桐生市は、古くから絹織物・染色・刺繍といった卓越した繊維技術で知られ、スーベニアジャケットの主要な生産拠点となりました。最盛期には25を超える工房が存在し、日本各地へこれらのジャケットを送り出していました。

わずか5年間で、2万着以上のスーベニアジャケットが生産されたと推定されています。

職人たちは標準的な工業的工程を超え、横振り刺繍などの伝統技術を駆使して製作を行っていました。

1950年代の朝鮮戦争による経済的な好況の中で、生産はより組織的なものとなり、スーベニアジャケットは一般化し、アラスカなど遠隔地の米軍基地にまで広がりました。その後、「スカジャン」という呼称が登場し、横須賀の港町でアメリカ兵の間に広く流通したことに由来しています。

個人的な記念品であり、職人技の結晶であり、同時にファッションアイテムでもあるスカジャンは、瞬く間に文化的象徴へと昇華しました。

それは、アメリカ的な美学と日本のクラフトマンシップが出会った瞬間を体現しています。

こうした交流と物語、そして継承の歴史の中に、私たちのコレクションは今日のインスピレーションを見出しています。

SOUVENIR JACKET

スーベニアジャケットは、戦後の日本で生まれました。駐留していたアメリカ兵が、自ら注文したり、基地内のPX（ポスト・エクスチェンジ）ショップで購入したりして、海外派遣の記念品として持ち帰ったのが始まりです。

日本で職人によって製作されたこれらのジャケットは、ボンバージャケットやスタジャンといったアメリカ的なシルエットに、日本独自の職人刺繍を組み合わせたものでした。龍や虎、地図、風景などが横振り刺繍で表現されることが多くありました。

それぞれの一着は、軍隊文化、クラフツマンシップ、そして自己表現が融合した個人的なテキスタイルの記念品となり、東洋と西洋をつなぐ特別な記憶を宿しています。

yokoburi EMBRODERIES

横振り刺繍は、大正時代にまで遡る半自動化の刺繍技法であり、Singer 107W102 のような横振り式ミシンを用いて行われます。
従来の直線運動型ミシンとは異なり、この機械はフリーハンドで描くような動きを可能にし、手描きの線に近い表現を実現します。

職人は図案を事前に生地へ転写し、その線に沿って布を手作業で操作しながら縫い進めていきます。こうして生まれる刺繍は立体的で、豊かな質感と繊細なニュアンスを備えています。

今日では、世界でも横振り刺繍を本格的に継承している工房は二つに満たず、きわめて希少で貴重なテキスタイル遺産となっています。

特注品として制作される場合を除き、刺繍は専用の型紙に基づいて行われます。
この型紙は、柿渋（柿から抽出される防水・硬化液）を染み込ませた特別な和紙に、手描きの図案をもとに切り抜いて作られます。

完成した型紙は裁断済みの生地の上に置かれ、亜鉛粉と糊を混ぜたものを刷毛で塗布することで、生地上に白い輪郭線が転写されます。これが職人にとってのガイドとなり、専用の刺繍ミシンを用いて縫い進めていきます。

同じ型紙を使用しても、一つひとつの刺繍は職人の技量や感性によって仕上がりが異なり、完全に同じ線は存在しません。

現在、このような貴重な刺繍型紙はごくわずかしか現存せず、多くは一般公開されていません。Eastwood Studio は、こうしたオリジナルの型紙を用いて製作を行う稀有な機会を得ています。

西陣織は、京都・西陣地区に起源を持つ伝統的な織物技法で、15世紀以降に発展しました。一本一本を個別に染め上げた絹糸を用い、自然や神道に着想を得た色彩豊かで立体感のある文様を織り出す点に特徴があります。日本で職人によって製作されたスーベニアジャケットは、ボンバージャケットやスタジャンといったアメリカ的なシルエットに、

日本独自の刺繍を組み合わせたものでした。龍や虎、地図、風景などが横振り刺繍で表現されることが多くありました。

それぞれの一着は、軍隊文化、職人技、そして自己表現が融合した個人的なテキスタイルの記念品となり、東洋と西洋をつなぐ特別な記憶を宿しています。

西陣織は、日本で最も洗練された織物のひとつとされ、技術・美意識・記憶を結びつけながら、世代を超えて受け継がれてきました。スーベニアジャケットの多くはレーヨンサテンで製作されましたが、ごく稀に、この特別な生地を用いた希少な作品も存在します。